【練習】ピアニストの為のフィンガートレーニング

雑談

ピアニストの為のフィンガートレーニング

クラシック、ジャズを問わずミュージシャン仲間の間では変な体操が存在します。まぁ騙されたと思ってトライしてみてください。頭も体も柔らかくなるかもしれません。

■一人じゃんけん(またの名を常に勝ちつづける右手)

一人でするじゃんけんです。但し条件があります。常に右手が勝ちつづけます。 例えば左手が「グー」を出したとすると右手は「パー」を瞬間的に出さねばなりません。

次に左手が「チョキ」を出すと右手は「グー」を出します。 更に左手が「パー」を出すと右手は「チョキ」です。 これを最初はテンポca80から始めて、ゆっくりテンポを上げていきます。

上級者になるとca140まで極めます。絶対守らないといけないルールはテンポを乱さず、正確にメトロノームに合わせて一人でじゃんけんを続けます。ちょっとでもテンポが乱れるようだったらテンポを5落として再度1-2分続けないといけません。

さらに馴れてくると左手の「グー」「チョキ」「パー」の順番をランダムにしたり、今度は「常に右手が負けつづける一人じゃんけん」にチャレンジするのも一興でしょう。

上級編として、「右手が勝った次は左手が勝つ」と交互に勝ち負けをスウィッチしながら「グー」「チョキ」「パー」をランダムに出すと言うのがありますぅ。

(難易度★☆☆☆☆、馬鹿馬鹿しさ度★★★☆☆)

■頭たたきと腹なでまわし(またの名をポコポコヘッドとぐるぐるお腹)

アメリカの学校などで実際に使われているトレーニングだそうですが、なぜこれをミュージシャンがしているかは不明。傍から見るとばかばかしいのですが、ジュリアードのある生徒が真剣に延々していました。音楽に良いのかは不明で日本人には効かないと思いますが、アメリカ人には効くようなり。ばかばかしさは保証します。

まず直立不動になり姿勢を正します。右手を頭の上10cmほどの高さに持っていき「ぽんぽん」とテンポよく自分の頭をたたきます。

次に左の手のひらでお腹を抑え(お腹痛い時にお腹に手をあてますよね)、そのまま左手のひらをお腹から離さないようにして、おへそを中心にくるくる正確に円を左手で描きます。 この時、右手が頭をたたいた瞬間には、左手は円の上に位置するようにします。

反対に右手が頭から一番離れた位置にいる時には、左手は円の下に位置するようにします。これもルールはテンポを乱さず、正確にメトロノームに合わせて続けます。ちょっとでもテンポが乱れるようだったらテンポを5落として再度1-2分続けないといけません。

たったそれだけなのですがテンポに合わせて正確にすると意外に難しいなり。

馴れると簡単に出来るようになるので、左手の回す方向を逆に変えたりバリエーションを作ってください。(左利きの人は右手、左手を逆にしてしてください)

(難易度★☆☆☆☆、馬鹿馬鹿しさ度★★★★★)

■親指と小指のダンス

これはフィンガートレーニングに最適です。

まず両手を「グー」にしたままを体の前に突き出します。両腕は地面に水平の位置にあります。手の甲は上を向いてます。

(1)まず左手は小指だけを伸ばします。同時に右手は親指だけを伸ばします。
(2)次に両手を「グー」に戻します。
(3)今度は左手の親指を伸ばします。

同時に右手の小指を伸ばします。

(4)再び両手を「グー」に戻します。

(1)から(4)をテンポよく繰返しします。馴れてくると(2)と(4)のプロセスをすっ飛ばして(1)と(3)をすばやく交互に出来るようにします。

また指のパターンを換えてバリエーションを作り、この時もテンポを乱さないようにメトロノームに合わせ正確にします。 結構、難しいと思うのですが?続けると頭がパニック。 (

難易度★★☆☆☆、馬鹿馬鹿しさ度★★☆☆☆)

■もじもじ君体操

これもフィンガートレーニングです。目の前で両手の人差し指と親指を中心にくるくる回す体操です。傍から見ると「もじもじ」しているように見えます。

この体操は「手数王」「足数王」として有名な超技巧ドラマー菅沼孝三先生から15年ほど前に教えてもらったと記憶しています。 まず目の前に両手を持ってきます。「グー」の形から親指と人差し指だけを伸ばします(子供が銃のマネを手でするように)。

(1)まず右手の人差し指の腹を左手親指の腹にあてます。この時、お互いの手の甲は外側をむいています。 (2)次は(1)の形を崩さないようにしながら右手の親指の腹を左手の人差し指の腹にあてます。

(よくカメラマンや映画監督がカメラのフレーム(長方形の形)を両手の指で作りカメラのフレーム構成を考えますよね。) (3)次は、右手の人差し指と左手親指を離します。そして右手の親指と左手の人差し指を中心にくるっと回しながら (4)右手人差し指の腹を左手親指の腹にあてます。

この瞬間は右手人差し指は左手親指に、右手親指は左手人差し指に当たっています。 (5)次は右手親指と左手人差し指を離します。そして右手人差し指と左手親指を中心にくるっと回しながら(2)の形を作ります。 以上(2)-(5)をテンポよく繰返します。

馴れてくると目の前で8の字描くように親指と人差し指達がくるくる回っているように見えます。これに馴れてくると回転方向を逆にしたり指を換えたりバリエーションを作っていきます。

(難易度★☆☆☆☆、馬鹿馬鹿しさ度★★★★☆)

■ジャグリング

ボールジャグリングは、大道芸人やボードビリアンが複数のボールを落とすことなく投げ続ける「西洋お手玉」ですが、私の周りの欧米人で簡単に3ボールカスケード(3つのボールをくるくる回す芸)をしてしまう人達がいました。

演じている姿を見ているとボールの放物線の美しさにうっとりさせられる反面、ボールの軌跡を追っかけていると難しそうに見えてしまうのですが、左手の訓練をしている演奏家にとって、基本形のカスケードは意外と簡単で、比較的短時間で出来ます(向き不向きがありますが)。ボールが1つ増え4つボールまではマスターしたのですが、5つボールのマスターは道がなかなか遠いなり~。

ボールを増やさなくても派生する技は数多く、カスケード、ファウンテン、シャワーを基本に、ミルズ・メス、バークス・バラージ、ルーベンシュタイン・リベンジなど美しいトスジャグリングのパターンや、マルチプレックス、バウンス、コンタクト、クラブ(演奏家は安定するまで指に注意)、パッシングまで奥の深いトリックや派生技が存在しますので、実力に合わせて練習できます。また練習すれば目に見えて短時間で上達していくのが実感できるジャグリングは、訓練のプロセスを理解する良い運動(技術的鍛錬にも心理的訓練にも)ではないかと思っています。

ジャグリングが果たして演奏家に有用かどうかは不明ですが、他人に見せて演じると言うより、”自分への技術の挑戦”という意味でジャグリングは思っている以上に簡単に楽しくできます。ジャグリングやパッシングの手順をサイトスワップやダイアグラムノーテーションと呼ばれるもので表記する人もいるのですが、この発想は譜面(notation)ですよね。

ちなみにジャグラーの中には、バウンスジャグリングでピアノを弾いてしまう(実はきちんと弾いていないけれど)THE PIANO JUGGLERや、ジャグリングしながらピアノを弾く中学生兄妹Vova & Olga などなどいます。

(難易度★☆☆☆☆~★★★★★、馬鹿馬鹿しさ度☆☆☆☆☆)

■その他(カニダンス、スティック回し、くるくる帽子かぶり、ドイツ式指折り数え術、ジャグリング)

この他に「カニのフィンガートレーニング(人差し指と小指を机の上に立てて両指をクロスさせるダンス、指抜きの訓練)」や「ドラムスティックをくるくる回す(ロックドラマーがやっているスティック回しより複雑かつアカデミックなバージョン、親指以外の各指の間をスティックがくるくる回る。

まるで鉛筆回しの各指版)」「くるくる帽子かぶり(つばのついた帽子を両手でくるくる回しながら頭にすぽっとはめる、スティック回しの変形版)」、「両手で511まで数える事が可能なドイツ式(?)指折り数え術」などと馬鹿馬鹿しいものから本格的なものまでですが、到底文章で説明できるものではない事がここに来て判明しました。英語も難しいけれど日本語も難しいなり~。

■有効な訓練

これら以外にきちんとした訓練でリズム感と指の交差やフィンガーリングの技術を伸ばす事が可能になります。左手が2拍3連で右手が8分の曲とか、もうちょっと複雑なリズムの曲が「いきおい・いい加減」でなく「リズムの相互関係」が解って弾けるようになります。 私が実際にした訓練で有効だったのは以下のようなものでしょうか。

これらについては皆さんもうご存知だと思いますので説明は割愛します。パラディドルは本当に「イチオシ」で演奏技術を1ランク上げたい人にはおすすめです。

効果が目に見えて現れると思います。 ・片手で2拍3連と4分音符を同時に弾く訓練。 親指で「ド」の音を人差し指と「レ」の音を交互に4分音符でひきます。音は交互に「ド、レ、ド、レ」となっているはずです。

そして中指で「ミ」、薬指で「ファ」、小指で「ソ」を「ミ、ファ、ソ」「ミ、ファ、ソ」と「ド、レ」の2拍3連になるように弾く練習です。 この時大切な事は、打鍵のタイミングは正確にする事はもちろん、鍵盤を離すタイミングにも注意する事です。例えば各音の長さを85%の長さでするのなら、4分音符の音も2拍3連の音も両方とも各音符の85%の長さに正確に揃えなければいけません。

音の出す瞬間やリズムだけでなく、音を切る瞬間を正確に意識するだけで演奏のばらつきが少なくなります。しかも一気に上手くなったように聴こえます。弦や管楽器に人達が音を切る瞬間に気を使っているように、鍵盤弾きも気を使いましょう。

もし意識して訓練したいのならオルガンを弾く事をお勧めします。恥ずかしい話ですが、私もオルガンを弾くまで全然、離鍵のタイミングを意識していませんでした。 なれてくると各指の音やリズムを色々変えてみます。例えば親指で「ド」小指で「ソ」を交互に「ド、ソ、ド、ソ」4分音符で弾きます。そのリズムにのって人差し指は「レ」、中指は「ミ」、薬指は「ファ」と「レ、ミ、ファ、レ、ミ、ファ」と2拍3連で弾きます。

■パラディドゥル

ドラマーが良く使うメソッドで両手のコンビネーションの練習です。

普通のピアニストはこの訓練をしませんが、私はリズム感の訓練にもっとも有効だと思っています。これを繰り返しする事により左手がまるで右手のように自由に自分の意志通りに、そして右手・左手のばらつきが無くなりバランスがよくなります。

「シングルパラディドル(タツタタ、ツタツツ)」タは右手、ツは左手です。ドラマーの人にはRLRR,LRLLと言った方が解りやすいかも。これ以外に 「ダブルパラディドル(タツタツタタ、ツタツタツツ、RLRLRR,LRLRLL)」や 「トリプルパラディドゥル(タツタツタツタタ、ツタツタツタツツ、RLRLRLRR,LRLRLRLL)」、 「フラムパラディドゥル(トゥラツタタ、ツラァタツツ)」「ダブルのフラムパラディドゥル」「トリプルのフラムパラディドゥル」・・「インワードパラディドゥル(RLLR,LRRL)」「ディレイドパラディドゥル(RLRL,LRLR)」「リバースパラディドゥル(RRLR,LLRL)」・・・・

と言ったものを順々にチャレンジしていきます。

これらのパラディドゥルや基本的なリズムをゆっくりのテンポから順々に速くしていき、アクセントの移動から始め、付点や3連、5連、7連、11連、2拍3連、2拍5連・・・5/4拍子、7/8拍子・・・と言った奇数連や奇数拍子、複合拍子にもチャレンジすると人間とは思えないロボットのようにリズムが正確になっていくでしょう。

メトロノームの裏拍でスタートしたり16分ずらしたり、シャッフル(3連)でずらしていく、手だけでなく足のコンビネーションも含めていくと言うのも”あり”です。ここまで行くと私も出来ませんが。 このように文章で書くと大変難しく見えますが、基本的にリズムのフレーズですので、一つのパターンを繰り返ししていると体が勝手に覚えていきます。

コツはゆっくりのテンポで繰り返ししてリズムを空(ソラ=何も考えずに)で歌えるようにする事です。口で歌えるものは必ず演奏できます。最低でも3分ほどメトロノームに合わせて無意識でリズムを刻めるようになり、体が覚え出したらテンポを変えたり、バリエーションを譜面におこして変化をさせていきます。

■PARADIDDLE のリズムについて、簡単に説明(追記) 基本的に(A)~(D)、(E)~(H)のバリエーションがあります。

本当はまだまだある(ドラッグパラ、ラフパラなど)ようですが、とりあえずほどほどにしときます。

(A)シングルパラディドル RLRR LRLL
(B)ダブルパラディドル RLRLRR LRLRLL
(C)トリプルパラディドル RLRLRLRR LRLRLRLL
(D)フラムパラディドゥル lRLRR rLRLL (頭に装飾音符(フラム=前打音)が逆の手でつきます)
(E)ノーマル RLRR LRLL (パラのリズムはRL、ディドゥルのリズムはRR)
(F)インワード RLLR LRRL
(G)ディレイド RLRL LRLR
(H)リバース RRLR LLRL

(A)シングル・パラディドゥルを16分音符ですれば(*は小節の頭、+が4分音符の頭) *—+—+—+—* RLRRLRLLRLRRLRLL
(B)ダブル・パラディドルを6連符ですれば *—–+—–+—–+—–* RLRLRRLRLRLLRLRLRRLRLRLL (B’)ダブル・パラディドルを16分音符だと *—+—+—+—*—+—+—+—*….. RLRLRRLRLRLLRLRLRRLRLRLLRLRLRRLR…..(以下続く)
(C)トリプル・パラディドルを32分音符ですれば *——-+——-+——-+——-* RLRLRLRRLRLRLRLLRLRLRLRRLRLRLRLL (F)インワード・パラディドルをシングルで16分音符ですれば *—+—+—+—* RLLRLRRLRLLRLRRL ・・・・・

以下組み合わせいっぱい。 上記に、各音符、連符、オモテウラの逆転(8分音符、16分音符の裏拍からのスタート)、利き手の逆(L)からスタートなど、組み合わせは無限にありますのでお試し下さい。

一度やりだすと、結構ハマると思います。 これで解ってもらえたでしょうか。文章で説明するのは大変ですぅ。 □ピアニストの為のパラディドゥル もしこのようなロボットのような訓練は楽しくないと言う方は、更に楽しめる方法もあります。

以上のリズムの訓練では「タ」と「ツ」と2つの音だけでしたが、ピアニストや音程楽器の人はこの「タ」と「ツ」に音を当てはめることによって、更なるトレーニングが楽しく出来ます。

昔、ドイツのホーナー社クラビネットと言う名器があり、リズムを意識した演奏が流行りました(ザッパグループにも参加していたジョージ・デュークやスティービー・ワンダー、リチャード・ティー他多数)。パラディドゥルを変形させる事によりこれらのクラビネットの奏法を練習する事が出来ます。 例えば一番シンプルな例で「トリプルパラディドゥル(タツタツタツタタ、ツタツタツタツツ、RLRLRLRR,LRLRLRLL)」を応用すると、以下のようになります。テンポ100、16分音符で「タ」の部分は右手で「E♭(出来れば第二展開)」のコードを弾き、「ツ」の部分は左手で「ド」の音を弾きます。この時、左手はレガート気味に、右手はスタッカートで軽く弾き、気分によって音を少しずつ間引きしたりアクセントを移動していくことにより、リズム感をだします。

また左手の「ド」の音をオクターブで交互に弾いてみたり、右手の「E♭」を最後の一つだけを「F」のコードにしたり、空ピッキングのような「合いの手(ノイズのような超断音符)」を入れたりすると、ぐっと音楽的になっていきます。

これをやりだすとけっこうハマります。 初めは音を追っかけるのと馴れないリズムに大変ですが、パターンを覚え出してリズムが体に染み込んでくると、自らリズムを刻んでいる楽しさに気づくと思います。メトロノームのリズムに合わせて弾いているのではなく、自分がビートを作り出していっていると言うか、まるで自分のテンポにメトロノームが合わせてくれているように感じれるようになれば、本当に楽しいものです。

今までメトロノームの奴隷だったのが、メトロノームが仲間として一緒に演奏してくれているようです。応用はいくらでも可能で、楽しみながらリズム感は知らず知らずに1ランクも2ランクもレベルアップすると思います。 また演奏の前のウォーミングアップとしてこれらを軽く弾いたりしたら、周りの人が「うぉっ!」と驚く効果もあります(うそ)。まぁ、驚かなくても「こいつはパラディドルを知っていて練習をしている人だな」と言うことにはなります(ホント)。

クラシックのピアノの先生は驚かなくてもどう弾いているか興味を持ったり、反対に「無視」されたり。普通のクラシックのピアノの先生はこれを弾きません。弾けなくて当然なのですけどぉ。 □パラディドゥルの効能 パラディドゥルは大変良く出来たリズムの訓練だと思います。ボケ防止や頭の体操にも有効でしょう(か?)。電車の中でも、車を運転しながら、眠る前にでもこの訓練は出来ます。

はじめは大変ですがやりだすと癖になってしまい、ついついひざを手のひらでパタパタ叩いていたり、無意識にリズムを刻んでいる自分に気づきます。中学生高校生の頃、喫茶店で音楽が流れていたり、電車の踏み切りの鐘の音のリズムにさえも反応して、パラディドルのルーディーメンツを刻んでいたぐらい中毒になっていた頃がありました。誰でもこのような時期はあると思います。 ピアニストや他の演奏者もリズムの本を買って練習するだけで、ぐっと演奏に余裕が持てます。曲を弾くだけがピアニストの仕事ではなく、音楽を理解する事がピアニストには要求されます。

へんてこなリズムや拍子を解って演奏するのと、解らずに演奏するのは全く意味が違います。5連は「12345、12345」と言うのではなく「タツタツタ、ツタツタツ(12121、21212)」と言う事に気づいてください。弾いた結果5連になっていたと言う「結果5連」や雰囲気やいきおいで弾いてしまう「いきおい7連」は卒業しましょう。

これらを極めると、アフタービートやスリップビート、ポリリズムの処理、リズム再分割なども余裕となる(らしい)です。さらにこのパラディドゥルに両手、両足を組み合わせ体を4つのパーツにバラバラに出来るようになれば、素晴らしい演奏が可能になる事でしょう。ちなみに両足のコンビネーションや複雑なものは私には無理です。念の為。

■のうがき 其の一(呼吸法) 別に「パラディドゥル」ができたからと言って演奏に役立たないのですが、同じ曲を100の力で必死に演奏するより、30の力で余裕を持って演奏し、余った70の力を自分の音や他人の音を聴くと言った感情表現に使えれば素晴らしい演奏が出来る事になります。演奏技術は持っていて損する事はないと思います。

知識や理論が武器になるのと一緒だと思います。 この他の技術として演奏中の呼吸法も大切なファクターだと言われています。

確かに呼吸のリズムが演奏のリズムに干渉する事は容易に想像できます。色々な説があるようですが、基本的に演奏中は呼吸を意識しない程度に薄くして(死なない程度にですよ)、ピアニストの場合は口や鼻での呼吸を意識せずに腰で深く息すると言うか、呼吸関連の意識を腰のあたりの方にストーンと下へ落とすように意識しながら、メロディーを唄うのが私にはあっているような気がします。

パーカッションも似たような呼吸法だと思います(ピアノもパーカッション的要素が強いですし)。管楽器、弦楽器にも独特の呼吸法はあります。意外と見落とされがちなのが呼吸法でしょう。 演奏時の姿勢については・・・、私は何も言う事はできないなり~。 「どんな経験がどこで役立つかわからない」。 話は飛びますが、私にもっとも大きな影響を与えてくれた師匠(O.B.)のおかげで、中学生時代から変なクラシックやジャズ、プログレッシブなものを聴いていましたので、このような変な体操や訓練が好きになったのかもしれません。

自由奔放系の私を良い方向に導いてくださった師匠には本当に感謝の気持ちあるのみです。 さておき私はJazzの仕事が一番多かったのですが、ロックはもちろん演歌からオーケストラまでさまざまな仕事に恵まれました。これら全ての経験が私の今の音楽感を作っていると思っています。