●行政書士の業務は、行政書士法第1条によれば次の3つが主要なものになっています。
官公庁などに提出する書類の作成
書類作成に伴う相談業務
作成した書類の提出代行
1官公庁に提出する書類等をクライアントの依頼を受け作成する作成代行
作成代行する中心的なものは官公庁などに提出する許認可申請書ですが、この他にも契約書や遺言書などの権利義務に関する書類、小規模商店の帳簿のような事実証明に関する書類、さらには風俗営業許可申請書に添付する店内配置図のような実地調査に基づく図面類も含まれます。
2クライアントの書類に関する法律的な相談を受けるという相談業務
従来は「代書屋」というイメージが強かった行政書士ですが、昭和55年の行政書士法改正によって、業務内容に相談業務が加わりました。相談業務すなわちクライアントにアドバイスができるということは一定の専門的能力を前提にしているということであり、今日行政書士がイギリスのソリシター(事務弁護士)に匹敵するなどといわれるのもここに理由があります。
3クライアントに代わって官公庁への書類の提出を行う提出代行
代行は代理とは異なり、法的には、単に「代わりにもっていく」だけのものですが、実際上は官公庁の受付係官も手続のプロである行政書士が申請代行してくれるのを歓迎しています。また、98年末にも開始される電子申請においてはクライアントの暗証番号を預かる権限も与えられる動きも出てきています。
●独立開業
行政書士の需要はどんどん増えているので、独立して開業するべきである。開業のためには自己の専門分野(外国人関係、陸運関係等)をもっていると強い。また、ノウハウを身につけるため、合格後2~3年は補助者として勤務する場合もある。
●収入・安定性
東京都行政書士会会員の行政書士4人に1人は年収1,000万円以上であり、2,000万円以上の行政書士も増えている。平均収入は700~800万円といったところである。
●行政書士の年収は……
行政書士の平均年収は行政書士開業希望者の方からよく質問される事項のひとつですが、行政書士の業務が様々な専門分野に分かれているため、また、他士業との兼業や年金収入を補う目的で開業している公務員退職者などもいるため、平均年収をだすことにはあまり意味がありません。都市部で事務所を構えている行政書士の場合、その年間収入が1千万円を越えていることは、事務所の家賃から容易に想像できるでしょう。参考までに、以下に東京都行政書士会の標準報酬表を掲げておきます。
業 務
報 酬
建設業許可申請(法人・新規)知事一般
315.500円
建設業許可申請(法人・更新)知事一般
147.600円
宅地建物取引業免許申請(法人)
177.000円
風俗営業許可申請(1号~7号)
229.500円
株式会社設立(発起設立)書類申請
348.700円
医療法人設立許可申請
964.800円
簡易帰化許可申請(個人)
307.000円
在留期間更新許可申請
80.900円
※東京都行政書士会の標準報酬表●他資格への近道
イ.W資格 業務が司法書士、社労士と緊密に関係する。行政書士の資格を持っていないと司法書士、社労士の業務に支障が多く、面倒になる。税理士との兼業もよく見られる。
ロ.試験の一部が免除になる資格行政書士試験に合格すれば、大卒でなくとも社会保険労務士の受験資格が与えられる。